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結論から言うと、今の済生会の研修の方が絶対いいですね。昔は、上の人が教育や研修自体を考えていなかった時代ですから。今は研修医にしっかりとトレーニングをしてもらうことが、病院にとっても患者さんにとってもいいことだと認知されてきています。僕たちの時は昔のストレート研修制度だったので、特に外科なんかは「できるようになれる人ができるようになればいい」だとか、「黙って見て覚える」という「修行」に近いスタンスでしたし。 それで覚えられる人もいれば時間がかかる人もいて、そういった違いの配慮は基本的にありませんでした。厳しい環境が逆に貪欲になれてよかったという人もいれば、そうでない人もいる、そういう状況でした。
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僕が研修医だった時は主治医数が 30~40 で、救急にも先生がほとんどいませんでした。ですので、1年目の研修医が救急車も全部持ち回りで診て、兼務当番もして、当直もほぼ一人で診る状況でした。病棟で急変が起きても上の先生方は外来の処置で来られないので、代わりに診ることが多かったです。済生会は「教える」という雰囲気があるので本当にいいですよね。
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そうですね。昔の現場を振り返ると、当時は研修医だけで頑張って現場を回していて、なんとかその場で 仕事は終わるけれど、「正しい良い仕事」ができたかといわれたら、わからないんですよね。きちんと答えが出るように、お手本を見せながらでないと間違えたまま覚えてしまうことになるんです。 上の先生方が不在で研修医たちでこなして、という話をたまに聞きますが、それが医療技術の向上に繋がるかというと決してそうではないんですよね。正しいことを見せながら教えるのが大事なんです。
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そういった意味では、済生会では当直も上の先生と入る形ですし、救急科ローテーションの時も救急科の先生が充実しているので、ちゃんと見てもらいながら教えてもらえました。ある程度の対応は研修医にやらせてもらえますし、いつも遠くから見てくださる先生がその日の振り返りを毎日してくださったりして、ありがたかったです。
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先生方の丁寧さが済生会はいいですよね。ここまで先生方がしてくださるのは滅多にないと思います。
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研修医のうちはどういうところに気をつけたらいいかなども全くわからないので、手探りで身につけるよりも型を教えてもらえると上達が早いし、効率がいいと感じました。
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できるだけいい環境を整えて、いろいろな先生方から効率よく教えてあげられたらいいなと思います。
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環境といえば、医局の机の配置や部屋も科ごとにまとまるのではなく、あえてバラバラにすることでいつでも気軽に相談できる環境にしていますしね。
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そうなんです。実働部隊は基本的に同じ部屋で仕事をした方が、近くに先生がいたりして雑談もしやすいんですよね。新しい病院ができる時にもそういう設計でお願いをしたんです。
僕はもっとバラバラにしていろいろなところに座れるようにしたら? と言ったんだけれど、研修医のプライバシーも大事にしたいから、ということで研修医だけのスペースも設けました(笑)
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僕は研修医だけの部屋を作る派だったんですよ(笑) 自分が研修医の時に経験したんですが、研修医同士の愚痴ってどうしてもあるんですよね。上級医が近くにいると、愚痴れないこともあるんじゃないかと思って(笑)
だからとにかくあそこ ( 研修医室 ) には扉をつけてください、と言いました(笑)
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桃木先生、ありがとうございます(笑)
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近くに先生がいることでちょっとした話ができて、一言二言助言をもらえたりする環境が知らず知らずのうちに知識が身につくことに繋がりますよね。
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そうですね。研修医のプライバシーを守った上で、かつ上級医や他の科の先生とも近くて接しやすい環境を整えているのは、済生会の大きな魅力の一つです。
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僕も研修していてそれを実感しています。すぐに不安を解決できますし、他の科の先生がラウンジで研修医から相談を受けているのを見たりすると、患者さんにとってもいいことなんじゃないかと思います。